(症例)播種性血管内凝固に対するリコンビナントトロンボモデュリンの使用経験
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概要
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[抄録] リコンビナントトロンボモデュリンは, トロンビンと結合し, その凝固活性を阻害するだけでなく, プロテインCの活性化, high mobility group box-1を吸着することによる抗炎症作用を有し, 新しい血液凝固調節作用により播種性血管内凝固(DIC)を改善させる. これまで小児においての使用報告は少なく, 当科におけるリコンビナントトロンボモデュリンの使用経験を検証したので報告する. 対象は当科で治療した基礎疾患を有するDICの患者とした. 日齢11~18歳の9症例(男児3例, 女児6例)に, のべ14回の投与を行い, DICスコアーの改善により有効性を評価した. 基礎疾患は急性骨髄性白血病が3例, 一過性骨髄異常増殖症,神経芽腫, EBウイルス関連血球貪食症候群, Kasabach-Merritt症候群, フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病,T細胞性リンパ芽球性リンパ腫が各1例ずつであった. 14回中11回(78.6%)で改善を認め, その中には移植関連微小血管障害に合併したDIC症例も含まれ, DICの改善のみならず微小血管障害の改善も認めた. 14回中3回で出血のため投与を中止したが, 出血以外の有害事象は認めなかった. 今回の成績は, これまでに報告されている成績とほぼ同等であり, リコンビナントトロンボモデュリンは小児においても有効であった.
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