マターナル・アタッチメントの個人差-養育行動及び子どものアタッチメント行動との関連について-
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概要
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本研究の目的は,①生後18ヵ月から生後36ヵ月におけるマターナル・アタッチメントの発達的変化を検討すること,②生後36ヵ月のマターナル・アタッチメントの個人差と母親の養育行動(教授行動,感受性)及びアタッチメントQ分類法によって評定された子どものアタッチメント行動との関連を検討することであった。妊娠期から生後36ヵ月まで追跡した15組の母子を対象に調査が実施された。その結果,以下の点が明らかとなった。①生後18ヵ月から生後36ヵ月にかけて,マターナル・アタッチメント得点は有意に低下した。また,生後18ヵ月と生後36ヵ月のマターナル・アタッチメント得点の間に正相関が認められた。②マターナル・アタッチメント得点の高い母親ほど,感受性が高く,間接的な教授をする傾向があり,そのような母親の子どもほど安定性得点が高い傾向にあった。以上の結果から,マターナル・アタッチメントが養育行動や子どものアタッチメント行動にとって重要となることが示唆された。Developmental changes in maternal attachment from 18 to 36 months of age were examined. The study also investigated the relationship between individual differences in maternal attachment, parental behaviors such as mother's teaching and maternal sensitivity, as well as infant-mother attachment using the Attachment Q-sort. Mother-child pairs (n = 15) participated in a longitudinal study from pregnancy to 36 months of age. The results were as follows. (1) Maternal attachment scores decreased significantly from 18 to 36 months of age. Moreover, there was a positive correlation between maternal attachment at 18 months and at 36 months. (2) Mothers with higher maternal attachment scores tended to have higher maternal sensitivity scores and used indirect teaching methods more often. The infants of these mothers tended to have higher Q-sort security scores. These results suggest that maternal attachment is important for parental behavior and infant-mother attachment.報告Reports
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