アメリカにおける共通コア州スタンダーズに対する学校の反応と課題 : ニューヨーク市の小・中・高等学校でのフィールドワークをもとに
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概要
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本稿では、アメリカ合衆国における「共通コア州スタンダーズ」の現場への浸透具合とその課題をフィールドワークを通して探ることによって、同国の学力格差是正政策の実現過程とその課題を明らかにする。フィールドワークの結果、コミュニティと緊密な関係を構築している学校においては、保護者、教員が一体となって独自の学校文化を守ることで「共通コア州スタンダーズ」の影響を受けていない様子が見られた一方、民間組織がイニシアティブをとる教育機関と関係のある学校には、一定程度の影響が現れていた。すなわち、共通コア州スタンダーズが実践に影響を与える度合いは、官民連携の度合いと比例関係にあるという仮説が考えられる。だが、「共通コア州スタンダーズ」に適応した各学校の取り組みが校長の強いリーダーシップに依存している場合、その継続性や発展性は同じ志を持つ他校とのネットワークがあるかどうかにかかっていること、民間組織の教育支援機能が全ての公立学校を支援できるかという規模の問題を指摘することができる。This paper examines the problem of the narrowing of the achievement gap in U.S. schools on the basis of fi eldwork focused on Common Core State Standards (CCSS). The fi eldwork was conducted in New York City's elementary, middle, and high schools. We found that schools that kept the school culture with parents and teachers and that had strong ties with local communities did not seem to be infl uenced by CCSS. On the other hand, schools in which other private organizations or educational institutions took initiatives did seem to be influenced by CCSS. Therefore, we hypothesize that the influence of CCSS on school practices relates to the extent of a school's association with private organizations. If schools depend on the leadership of principals, the sustainability of their eff orts depends on whether they have networks with other like-minded schools in the same situation. We point the problem of scale that private organizations really support every public school or not.
- 2014-03-31
著者
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