数種陽生低木種の種子発芽および芽生え成長試験--斜面緑化への利用と関係して
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概要
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近年,さまざまな環境修復の場で実施される斜面緑化においては,従来の外来草本種に代わって地域自生種をもちいた生物多様性に配慮した播種工が求められている(吉田,2009)。こうした事情から,先駆性の低木種への期待が高まっており,それらを導入して施工した後の定着・発達過程について地表被覆状態や本数密度,成長量など,かなり詳細な調査が行われている(小畑ら,2007:野口ら,2008:細木ら,2008)。樹木の育成に関する試権研究は,これまで高木種を中心に行われてきたことから,低木種個別の育成法については不明な点が少なくない(関西地区林業試権研究機関連絡協議会育苗部会.1980;林業化学振興所,1985)。樹木の育成利用においては,まずはそれぞれの樹種の特性をよく理解しておく必要があり(Kramer and Koziowski,1979),種子を播いて実生を育てるケースでは,特に種子の発芽や芽生えの成長に関する性質が重要である。本研究では,斜面緑化に有用と見られる,わが国自生の低木種6種を選び,種子の発芽試験を行うとともに,圃場に播種し.発芽後の芽生えの成長経過を追跡し.発芽当年の幹枝系の発達や成長量について調査した。種子発芽や芽生え成長における樹種間の変異に注目し,発芽当年の成長量と結びつけて若干の考察を行った。
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