八丈島におけるマクサの生長と成熟におよぼす黒潮流路変動の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
伊豆諸島八丈島において,マクサの生長と成熟,およびそれにおよぼす海洋環境の影響に関する調査を2005年4月から2010年12月にかけての5年9ヶ月間,実施するとともに,過去のマクサの現存量と水温との関係についても解析を行った。マクサの藻長と湿重量は,秋期に増加し始め,翌年の春期から初夏に最大となった後に減少するという季節性を示した。日間増重率がプラスとなった時期から,八丈島におけるマクサの生長時期はおおむね1月から5月と推察された。黒潮流路が内側域型になると水温平年差がマイナスとなり,溶存態無機窒素濃度およびリン酸態リン濃度が高くなった。また,マクサ生長期の水温と現存量との間には負の相関が認められた。これらの調査結果から,近年の八丈島におけるマクサの豊凶には,生長期の水温の高低が影響しているのではなく,溶存態無機窒素濃度およびリン酸態リン濃度の多寡が大きく影響している可能性が示唆された。
- 水産増殖談話会の論文
- 2012-06-00
水産増殖談話会 | 論文
- 海洋環境から分離した殺藻性糸状細菌のDNA交雑試験およびRFLP解析
- 養殖ウナギの残留抗菌性物質の簡易検査に用いる直接バイオアッセイ法の改良
- 養殖ウナギにおける抗菌性物質の簡易残留検査法
- 福島県沼沢湖に生息するヒメマスの動物プランクトン選択性
- マラウイ産コイ科魚類Opsaridium microlepisの耳石日周輪