摂餌活性から見たアマゴのスモルトとパーの違い
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概要
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アマゴ(Oncorhynchus masou ishikawae)は主に西日本の太平洋側に流れ込む河川に生息するサケ科の魚であり、食用や遊漁用として利用される水産有用種である(桑田・徳原2005)。本種は自然河川ではふ化後1年たった晩秋から初冬にスモルト化し降河する(加藤1973)。スモルト化した魚は海域で甲殻類や魚類を捕食し大型化し、翌春5月頃に遡上してくることが知られている(加藤1973;日本水産資源保護協会1975)。一方で、パーはそのまま河川内にとどまるものの、その冬期の生態についてはよくわかっていない。柳井ら(2001)は同種別亜種のヤマメO。m。masouのパーについて流速の緩いカバーの下で、摂餌をあまりせず越冬することを報告している。もし、アマゴのパーがヤマメのそれと同様であるなら、アマゴのスモルトとパーでは摂餌活性は異なることが推測されるが、今まで摂餌活性についての調査はなされていない。近年、魚の学習能力を利用して魚白身の食欲を検知して給餌する自発摂餌法が開発され、これにより魚の摂餌生態をモニタリングすることが可能となり、多くの魚種で摂餌パターンの調査が行われている(田畑編2001)。この技術を利用すればパーとスモルトの摂餌活性の違いを調査することができる。今回、自発摂餌システムを使い、パーとスモルト摂餌活性の違いを調査したのでその結果を報告する。また同時にパーとスモルトの筋肉組織内の含有脂質量についても測定したので併せて報告する。
- 2012-03-00
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