2010年の埼玉県における水稲白未熟粒多発の要因
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概要
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埼玉県の水稲は35,800ha作付けされ,早生種を用い,9月上旬までに収穫する早期栽培,5月末までに移植を行う早植栽培,6月以降に移植を行う普通栽培に分類される。それぞれの作型別割合は,早期栽培30%,早植栽培45%,普通栽培25%(2006~2010年の平均,埼玉県農業支援課調べ)である。このことは,天候による作柄変動に対するリスク回避に有効であり,1993年の冷害では全国平均作況指数74に対して,埼玉県は93で全国9位と被害が少なかった。しかし,2010年の夏期の異常高温では,作況指数は県西部85,県東部87,県計86,全国46位,水稲うるちの一等米比率は24。4%と極めて低い水準となり,作期分散で被害を回避することはできなかった。特に出穂時期が遅いために,高温耐性をあまり必要としなかった晩生,中晩生の水稲うるち品種「彩のかがやき」,「彩のみのり」では,一等米比率が1%未満となり,2等以下への格付け理由の多くは白未熟粒であった。そこで,水稲新品種育成試験および水稲奨励品種決定調査を材料として,2010年の白未熟粒多発要因の解析を試みた。
- 2012-03-00
著者
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