鶏ふんを利用した水稲の有機育苗方法
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概要
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有機栽培に対応した水稲育苗方法を確立するため,無肥料土壌に各種有機質肥料を播種当日に施用,混合し,苗の生育に及ぼす影響を調査した。1。加温出芽方法(岡山県中北部で主流)および無加温出芽方法(県南部で主流)の双方で育苗した場合に,鶏ふんを施用することで実用上支障のない苗質が得られ,育苗用肥料としての有用性が示唆された。鶏ふんは製造方法によって肥効が異なることが知られており,1箱当たりの全窒素施用量を統一して育苗した場合,苗丈に生育差が生じた。そこで肥効の異なる鶏ふん3種類を用いて,育苗終了時の積算窒素無機化予測量を合わせた施肥をしたところ,苗の生育を揃えることができた。2。菜種油粕や魚粕を播種当日に施用した場合,ルートマットの形成が十分でなく,本試験で行ったような有機育苗には不適当であると考えられた。有機配合肥料は,おおむね健全な苗質が得られるが,播種時期によってマットの形成が安定しなかった。
著者
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