バレイショ新品種「さんじゅう丸」
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概要
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「さんじゅう丸」は,そうか病に強くジャガイモシストセンチュウ抵抗性を有し多収で外観の良い品種の育成を目標とし,1998年春作に,大いも多収で外観に優れる「長系107号」を母,そうか病に強く,外観・食味に優れる「春あかり」を父として交配し,交配種子を得た。1999年春作に交配種子を播種して選抜を開始し,2002年春作で「長系116号」の系統名を付して,収量性,病虫害抵抗性,系統適応性について検討し,2002年秋作から「西海30号」の地方番号を付し,さらに特性を調査した。その結果,病虫害抵抗性や収量,外観に優れることから2010年5月に品種登録の出願を行い,2010年8月に出願が公表された。出芽期は春作では「デジマ」よりも早く,秋作では「デジマ」よりも遅い。茎長は春作・秋作ともに「デジマ」より短く,茎葉の黄変時期は春作・秋作ともに「デジマ」よりもやや早い。上いも数は春作では「デジマ」よりも多く,秋作では「デジマ」よりも少ない。平均1個重は春作・秋作ともに130g程度と大いも。上いも重は春作で「デジマ」比108%と多く,秋作では同85%とやや少ない。でん粉価は春作・秋作とも「デジマ」よりも低い。塊茎の皮色は淡ベージュ,形は卵形で揃いが良く,目が浅く,生理障害が少ないため,外観が良い。肉色は淡黄で,蒸しいもの肉質は中~やや粘質で食味は中~やや良である。ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を有し,そうか病に「デジマ」,「ニシユタカ」よりも強い。
- 2012-03-00
著者
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