福岡市周辺の海産生物調査.I.
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概要
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2006年4月から2007年2月まで2ヶ月毎に計6回,博多湾内6地点(唐泊,今津,妙見岬,牧の鼻,志賀島南部,志賀島北部)において,海藻・海草類の生育種類数調査を行った。6地点合わせて海藻類112種(緑藻綱14種,褐藻綱37種,紅藻綱61種),海草類2種の計114種であり,その生育種数は湾奥ほど減少した。その減少は褐藻綱,紅藻綱で明瞭であり,特に大型褐藻綱(コンブ科,ホンダワラ科)で顕著であった。このことは,湾奥ほど富栄養化の程度が高いことの反映であると考えられた。10年前の同様の調査と比較したところ,各地点での生育種数に特に大きな変化は見られず,湾全体として10年前とほぼ同程度の種多様性が認められた。これは,博多湾の水質環境がこの10年間で特に大きく変化しなかったことによるものと推察された。
- 2012-02-00