幽門洞肥厚症候群に対してバルーン拡張術を実施した犬の1例
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概要
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7歳齢,避妊雌のM・ダックスフンドが2カ月間にわたる慢性嘔吐・食欲不振を主訴に来院した。症例はX線CT検査,内視鏡検査により「幽門洞肥厚症候群」が疑われた。本症例に対し,試験的に幽門部バルーン拡張術と対症療法を実施したところ,症状が著しく改善した。2カ月後の内視鏡検査で,幽門部粘膜の軽度肥厚が認められたため,2回目のバルーン拡張術を実施した。その1カ月後に他院で実施した試験開腹時術創の化膿が認められたため,縫合糸の除去を目的とした開腹術を実施した。その際の内視鏡検査では幽門粘膜の肥厚は消失しており,開腹下でも幽門周辺に肉眼的な異常所見は認められなかった。現在,術後2年が経過するが症状の再発は無く経過は良好である。幽門部バルーン拡張術は幽門洞肥厚症候群に対して有用な治療法となる可能性が示峻された。
- 日本獸医師会の論文
- 2012-01-00
日本獸医師会 | 論文
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