農産物由来原料を用いたエコ&ナチュラル染色に関する研究
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概要
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これまで、当センターでは地元企業と連携し、特産品であるミカンの色素をスプレードライ法により粉状にして綿繊維を染色する技術を開発した。この技術を地元企業に移転し、平成22年5月に地元の呉服屋から販売を開始するに至った。本研究ではこの技術シーズを環境負荷の少ないバイオマス素材のポリ乳酸繊維に応用し、インテリアファブリックあるいはアパレル分野への展開を目指した。具体的には、1)工業的な染色方法であること,2)各種染色堅牢度3級以上を達成すること,3)染色による著しい強度低下が認められないことを開発目標とした。その結果、ポリ乳酸繊維の性質を考慮した最適かつ効率的な染色条件を見出すことが出来た。特に、一般的に危惧されている加熱に対する劣化について、強度保持率は99%と、染色による低下は見られなかった。これにより、農工連携、産業観光の技術として「エコ&ナチュラル」を売りにした他産地にはない様々な商品に用途展開が可能であり、地元繊維業だけでなく観光業を含めた産業の振興に貢献できることが示唆された。
- 2011-12-00
著者
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