ナマコ種苗生産時に出現するコペポーダの影響について
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概要
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ナマコ種苗生産で発生するコペポーダの防除法確立のための基礎試験を行った。種苗生産現場で発生するコペポーダはシオダマリミジンコと判定され,0.2個体/cm2の密度では稚ナマコの初期餌料となる付着珪藻は維持できるが,2.0個体/cm2では約7日間で全て摂餌され,体長0.4~1.0mmの稚ナマコはコペポーダ密度0.2個体/cm2以上で斃死することがわかった。付着珪藻を繁茂させたシャーレに稚ナマコとコペポーダを混在させた場合,コペポーダはまず付着珪藻を摂餌し,付着珪藻が減少するまでの期間,稚ナマコが斃死しないことが判明した。また,UV発光するFITC染色した稚ナマコを斃死させたコペポーダを蛍光顕微鏡で観察したところ,脚部付近は強く発光するが,胃や糞では発光せず,この結果から稚ナマコの斃死要因は食害ではなく,接触ダメージであると推測された。
- 2011-03-00