メダカとマウスが語るステリグマトシスチン
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
マイコトキシンの一つであるステリグマ卜シスチンの発癌性を,メダカとマウスを用いて検索を行った。その結果興味ある病理組織学的変化を呈した。ステリグマトシスチンはカビ(Aspergillus属)の二次代謝産物で数種類の実験動物に対して強い発癌性を示すことが知られている。またメダカは淡水性の小型魚類で古くからさまざまな実験で使用されている。ステリグマトシスチンを5ppm含む飼料をメダカに6週間与え短期間で硬変様変化を伴う肝細胞癌の発生が認められた。さらに電子顕徴鏡観察で脂肪摂取細胞の線維芽細胞への移行像やoval cellによる管腔形成も観察された。またBDF1雌マウスに30,120ppm含む飼料をそれそれ55,51週間与え肝臓と背部皮下の褐色脂肪組織に血管肉腫の発生が見られた。この投与量による発生部位の違いはとても興味ある結果であった。最後に前世紀のわが国の癌研究はなやかなりし時代を振り返り二三の印象を述懐する。
- 2010-12-00
著者
関連論文
- 抗悪性腫瘍剤アドリアマイシンによるメダカOryziaslatipesへの影響
- 化学発癌物質Diethylnitrosamine(DEN)によるメダカOryzias latipesの肝癌形態発生について
- 発癌性Mycotoxin, Sterigmatocystin(STG)投与によるメダカOryzias latipes肝癌の形態発生 : 初期変化にについて
- 発癌性Mycotoxin, Aflatoxin B_1(AFB_1)投与によるメダカOryzias latipes肝癌の形態発生 : 主として初期変化について
- 化学発癌物質Orthoaminoazotoluene(OAT)によるメダカOryzias latipesの肝障害像
- 化学発癌物質Orthoaminozao toluene(OAT)のメダカ(Oryzias latipes)に対する影響 I: 主として肝に及ぼす影響
- EstradiolのメダカOryzias latipesへの影響 : 環境ホルモンスクリーニングの一モデル
- 電子顕微鏡による蛙諸器官の細胞組織学的考察 II :極低倍での電子顕微鏡による核の容積と不規則性の変化によるトノサマ蛙の皮膚の組織学的構築に関する検索
- Furan投与ラット肝臓の胆管線維症に伴った腸上皮細胞および管腔形成肝細胞の出現について
- メダカOryzias latipesにおけるビテロジェニンの免疫組織化学 : 内分泌撹乱物質の予備研究
- アセチルアミノフルオレン投与によるラット再生肝におけるLiver Stem Cell Compartmentの増殖,分化について
- ビスフェノールAのメダカ(0ryzias latipes)への影響の病理組織学的検討
- 海面養殖ギンザケにみられたウイルス性貧血の病理組織学的研究
- メダカOryzias latipesの肝固定法に関する研究 II : ピクリン酸を含む固定液の有効性について
- メダカOryzias latipesの肝固定法に関する研究
- 電子顕微鏡による蛙諸器官の細胞組織学的考察 I : トノサマガエルの循環血中にみられる細胞の微細構造(英文)
- Naphthalene投与によるマウス肺細気管支上皮細胞の障害とその修復について
- バチルス属の二三の菌種についての電子顕微鏡的研究 II : 赤色巨大菌におけるコハク酸脱水素酵素活性の細胞内局在性(英文)
- Butylated Hydroxytoluene(BHT)によるマウス肺障害の形態発生と毒性学的指標
- Medaka, Oryzias latipes肝細胞核の形態計測 : Methylazoxymethanol acetateとAcethylaminofluorene
- メダカとマウスが語るステリグマトシスチン