果樹園における施肥改善等に関するアンケート調査報告
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概要
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平成21年に47都道府県の果樹土壌肥料担当者を対象にして,果樹園における施肥改善に関する取り組み等についてアンケート調査を行った.その結果,土壌診断の頻度は,一部の県・樹種を除いて不十分で,果樹の減肥基準の策定も遅れており,連絡試験や試験データの共有等を通じた減肥基準の充実が今後の課題であることがわかった.堆肥の利用は,比較的傾斜が緩やかな園地では積極的に行われているが,堆肥中に含まれる肥料成分を勘案した施肥量の削減は,十分には実践されていない.効率的施肥技術として,肥効調節型肥料や点滴かん水同時施肥に施肥量削減効果の期待が高く,導入が進められている.また,リン酸・カリ含量の低い低成分肥料や低価格のBulk Blending(BB)肥料の導入も進んでいる.鶏ふんや塩化カリ等これまで利用頻度の少なかった低価格資材の利用については,使用樹種や利用地域は限定されるものの,利用を促進する取り組みが認められる.今後,施肥改善に関連する試験研究調査データや情報を関係者間で共有することにより,果樹園における化学肥料の施肥量を削減する施肥改善の取り組みが進むことが期待される.
著者
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