1,2,3産次の変量回帰検定日アニマルモデルにおける多項式次数の判定
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概要
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我が国のホルスタイン集団の1,2,3産次の変量回帰検定日アニマルモデルにおける多項式の次数を判定するために、モデルの当てはまりの尺度として、1,2,3産の残差分散、対数尤度(-2logL)と赤池の情報基準(AIC) を用いた。モデル式における変量回帰係数である相加的遺伝効果および恒久的環境効果と、母数効果係数の回帰次数を2,3,4および5次で比較した。次数が多くなるにつれ、残差分散は小さくなるが、その傾向は2および3産では大きいが初産では次数が増加しても残差分散の減少は大きくなかった。これは、初産では乳期に対する検定日記録の推移が極めて平準化しており、ピークからの泌乳持続性が2,3産次に比べて高いことによる。変量回帰係数である棺加的遺伝効果、恒久的環境効果の次数が2,3,4,5次と大きくなるにつれて、1,2,3産の残差分散、対数尤度( 2logL) と赤池の情報基準(AIC)のいずれも減少した。対数尤度と赤池の情報基準は、小さいほど当てはまりがよいことを示しており、次数が大きいほど、変量回帰モデルの当てはまりがよくなり、モデルの精度が高まることを示した。しかし、1,2,3産の残差分散、対数尤度と赤池の情報基準値の多項式次数の増加に伴う減少の程度「(i産次の基準値-i+1産次の基準値)/i産次の基準値」は、2次から3次,3次から4次は大きいが4次から5次になるにつれ減少の程度は小さくなり、コンピューターの容量や計算時間からすれば多項式の次数は4次が妥当と思われた。なお、変量回帰の相加的遺伝効果や垣久的環境効果以外にモデル式において、乳期に伴う乳量の推移を母数効果の回帰式で2,3,4と5次の次数間で比べたが、1,2,3産の残差分散、対数尤度と赤池の情報基準に大きな差はなく、次数2次でも妥当と恩われた。以上より、変量回帰検定日アニマルモデルで、は、母数回帰係数効果の回帰式の次数は2次、変量回帰係数の相加的遺伝効果や垣久的環境効果の次数は4次が望ましい。
- 2011-01-00
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