カキ'平核無'および'刀根早生'のCTSD炭酸ガス脱渋法の実用化
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概要
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渋ガキ果実を販売するためには,収穫後脱渋処理を行う必要がある.従来,渋ガキの主要品種'平核無'で行われていた炭酸ガス脱渋法は,常温で60~70%の炭酸ガスを数日間処理する方法であり,脱渋障害が発生しやすかった.松尾ら(I975)は,Gazit. Levy (1970)の脱渋2過程説を発展させ,処理中の温度を一定にするとともに,炭駿ガス処理時間を短くして脱渋させるCTSD(Constant TemperatureShort Duration)法を発表した.1975年以後,筆者らのグループは,'平核無'および'刀根早生'におけるCTSD炭酸ガス脱渋法の実用化技術の開発に取組み,果実温を上げて1日程度高濃度下で炭酸ガスを吸収させた後,2日間の保温をすることにより脱渋させる方法を確立すると同時に,脱渋障害をほとんどなくすことに成功した.その結果,和歌山および奈良県において,'平核無'および'刀根早生'のCTSD炭酸ガス脱渋にはこの方法が普及し,全国に波及した.以下に,筆者らのグループが開発した技術の内容およびその普及について解説する.
- 2011-07-00