四季成り性イチゴ品種'なつあかり','デコルージュ' のランナー発生に及ぼす低温前歴、日長および冷蔵処理の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
四季成り性イチゴ品種'なつあかり','デコルージュ'を効率的に増殖するために,ランナ一発生に関する諸条件を調べた.両品種において,ランナ一発生には1,000時間以上の低温(5℃以下)に遭遇することを要し,低温遭遇後の株が短日条件に置かれた場合には,ランナー発生に必要な低温遭遇時間が長日条件下におかれた場合より長かった.低温遭遇時間が長いほどランナー数は増加する傾向を示し,2,000時間では低温遭遇後に短日条件下に置かれた場合の方が多い傾向がみられた.十分な低温を経た'なつあかり'越年株は,短日(10時間)条件下でランナー数が少なかった.これに対し,'デコルージュ'越年苗はむしろ長日(13~16時間日長)でランナー発生数が少なく,供試した四季成り性品種では日長が長くてもランナー数が増加しない場合があることが示された.冷蔵処理(-2℃;約90日間)により自然低温に遭遇するより早期に低温充足してランナー発生を早める試みにおいて,'なつあかり'では7月採苗苗の方が5月採苗苗よりランナーが多く,'デコルージュ'でも7月採苗苗のランナー数は5月採苗苗と同等以上で,両品種とも苗数が多く確保できる7月採苗苗を次年度の親株として利用することは,苗の増殖率の面で不利ではなかった.冷蔵処理開始時期については,'なつあかり'で12月開始, 'デコルージュ'で11および12月開始で7月までの総ランナー数が多かった.
- 園芸学会の論文
- 2011-04-00
著者
関連論文
- 11-16 夏秋どりイチゴの果実カドミウム濃度に及ぼす品種および土壌pHの影響(11.植物の有害元素,2009年度京都大会)
- 18 イチゴ秋どり栽培における地上部ケイ素含有率、吸収量とその品種間差異(東北支部講演会,2008年度各支部会)
- 6 イチゴ秋どり高設栽培における培養液へのケイ酸添加が収量、果実品質等に及ぼす影響(東北支部講演会,2007年度各支部会)
- 四季成り性イチゴ'なつあかり'の当年苗の花房出蕾へ及ぼす日長および肥料の影響
- 四季成り性イチゴ'なつあかり''デコルージュ'のランナー発生に及ぼすジベレリンの影響
- 四季成り性イチゴ品種'なつあかり','デコルージュ'のランナー発生に及ぼす低温前歴,日長および冷蔵処理の影響
- 四季成り性イチゴ品種の連続開花性と第1花房着生節位との関係
- 2 四季成り性イチゴの夏秋どり高設栽培におけるケイ酸施用方法が葉および果実のケイ素含有率に及ぼす影響(東北支部講演会,2010年度各支部会講演要旨)
- 24時間日長下における栽培イチゴの四季成り性の遺伝解析
- 四季成り性イチゴ品種'なつあかり','デコルージュ' のランナー発生に及ぼす低温前歴、日長および冷蔵処理の影響
- 24時間日長下における栽培イチゴの四季成り性の遺伝解析
- 四季成り性イチゴ品種の連続開花性と第1花房着生節位との関係
- P7-1 イチゴ夏秋栽培におけるケイ酸質および石灰質肥料の施用が萎黄病等の発病に及ぼす影響(7.土壌病害,2012年度鳥取大会)
- 16 イチゴ四季成り性品種の夏秋どり栽培における窒素日施用量が出蕾、収量に及ぼす影響(東北支部講演会,2011年度各支部会)