ベニツチカメムシに自然状態で随伴するCaenorhabditis japonica耐久型幼虫の生存性
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概要
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Caenorhabditis japonica Kiontke、Hironaka and Sudhausはベニツチカメムシに随伴する細菌食性線虫である。休止状態のC. japonica耐久型幼虫は主にカメムシ雌成虫体表面から一年を通じて検出されることから、カメムシ上で長期生存することが考えられるが実際の生存期間は明らかでない。形態的特徴をみるためクライオ走査電子顕微鏡観察をおこなったところ、カメムシ上の線虫は緩やかな脱水状態であったが、無水生存性を有するイネシンガレセンチュウのような側帯の収縮はみられなかった。野外から採取したカメムシを実験室内でいくつかの湿度条件下におき、3か月間保持後に解剖し、カメムシ上の耐久型幼虫の生存を調べた。その結果、湿度100%においてはカメムシ上にほとんど線虫は残っておらず、湿度97%では1頭のカメムシあたり19頭の線虫が検出され、その生存率は33%であった。一方、木製の箱で維持したカメムシではカメムシの生存率は100%となり、1頭のカメムシあたり67頭の線虫が検出され、その生存率は55%であった。以上の結果より、C. japonica耐久型幼虫はベニツチカメムシ上で緩やかに乾燥した休止状態になり、数か月間生存可能であることが明らかになった。
- 2010-12-00
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