シリーズ「近年の土砂災害」
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概要
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冬季の積雪深が数メートルを超える東北地方の日本海側や北陸地方は、世界でも有数の豪雪地帯である。この地方では融雪を起因とする地すべり災害がしばしば発生している。わが国で発生した土砂災害総数に対して融雪災害(ほとんどが地すべり災害である)が占める割合は3%程度と決して多くはないが、融雪地すべり災害の発生地域は図2に示すように東北地方の日本海側や北陸地方に偏っており、また発生時期も図3のように融雪期に集中する傾向がある。このように融雪地すべりは限られた地域で集中的に発生するため、対象地域にとっては看過できない社会問題となっている。一般に融雪地すべりは融雪の最も盛んな3〜5月に多くに発生するが、厳冬期である1〜2月の発生は稀である。ところが福島県金山町では厳冬期である2007年2月上旬に地すべりが発生し、下流域に被害を与えた。厳冬期に地すべりが発生した事例を整理し、発生要因を探ることは今後の融雪地すべり災害を予測するうえで有益である。本報告では厳冬期に発生した上述の地すべり災害について、誘因の検討を含めて報告する。
- 2010-10-00
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