有機塩素系殺虫剤汚染土壌から単離された新規エンドスルファン分解糸状菌(Mortierella属菌)
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概要
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好気的にエンドスルファンを分解するMortierella sp.W8とCml-45の2株を有機塩素系殺虫剤が残留している土壌から単離した。接合菌によるエンドスルファンの分解はこれまでに報告がない。本研究で単離した菌株は、25℃で28日間培養することにより、α-エンドスルファンを70%以上、β-エンドスルファンを50%以上分解した。毒性代謝物であるエンドスルファンスルフェートの発生は少量に抑えられ、エンドスルファンジオールの生成が確認された。さらに、エンドスルファンエーテル、エンドスルファンラクトンが代謝物として検出された。エンドスルファンスルフェートを初期基質にした分解試験を行ったところ、スルフェート体は分解できないことが確認された。また、本菌は土壌洗浄法を用いて単離された菌株であり、土壌中で菌糸体として存在していたことが示唆された。そのため、今後、エンドスルファン残留土壌のバイオレメディエーションに有望な菌株であると考えられる。
- 日本農薬学会の論文
- 2010-08-00
著者
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