Gateway対応バイナリーベクターの開発と植物分子生物学への応用
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概要
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近年のゲノムプロジェクトによって多くの植物ゲノムの配列が明らかになりつつある。この情報によって、各種遺伝子の発現パターンやプロテオーム解析による遺伝子のゲノムワイドな解析がすすめられている。しかし、最終的に遺伝子の機能を解析するには、レポーター遺伝子やタグなどを使った組換え植物体での発現解析、局在性解析や遺伝子ノックアウトなどの研究が不可欠である。このような網羅的解析にはハイスループットな遺伝子操作技術が必須である。植物の形質転換ではアグロバクテリウムをもちいた方法が主流であるが、このとき使用されるTiバイナリーベクターは分子量が大きく、また、多くの制限酵素認識部位がマルチクローニングサイト以外にも多く存在しており、目的遺伝子のクローニングには困難を伴う。そこで、最近注目されている制限酵素を利用しないGatewayクローニング技術を応用したバイナリーベクターの構築がいくつかの研究家から報告されている。本稿では、著者らが同じバイナリーベクターから遺伝子クローニング、レポーター解析、タグ融合解析用に開発したpGWBとImpGWBについて解説した。また、Gateway多重連結の技術を応用したプロモーター交換型バイナリーベクターR4pGWBについても述べた。今後はさらに多くの遺伝子を連結できるベクターの開発が望まれる。
- 2010-03-00
著者
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