流域水資源および農業への温暖化影響評価に関する世界の先進研究調査
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概要
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地球温暖化に伴う気候変動に関連して関心が大きい課題の一つは、降水量やその分布、降雨強度等に代表される地球上の水循環がどのように変化するか、そしてそれが我々の生活にどのような影響を及ぼすかという点である。地球温暖化が将来、我々の生活や環境に及ぼす潜在的な影響を評価することが急務であり、これらの研究課題に対しては、気候学から水文学、農学まで各国で幅広い分野の研究機関が取り組んでいる。現在研究を進めている分野の全体像を概観するとともに、先進事例を収集するために、平成21年2月15日から3月8日の22日間にわたり、世界7カ国の14研究機関・大学を訪問し、地球温暖化に係わる分布型水循環モデルの開発と利用、大気大循環モデルと分布型水循環モデルの結合、地球温暖化の水資源・農業への影響評価に関する研究事例調査を行った。ここでは、1)地球温暖化の影響評価に関する基盤研究・技術、2)流域レベルの水資源への影響評価、3)農業・食料生産に与える影響評価を中心にその概要を報告するとともに、農業における水資源分野の影響評価に向け、今後取り組むべき課題についてまとめた。
- 2010-03-00
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