変換バイオマスの農地施用効果の評価のためのサトウキビ生育調査結果
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概要
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宮古島は沖縄本島から南西約300kmに位置する。年平均気温は23.3℃、年降雨量は約2000mmで海洋性亜熱帯気候に属する。島全体の起伏が少なく、平坦であり主要な河川がない。地表面は透水性が高く、保水性に乏しい島尻マージ土壌に覆われており、その下に琉球石灰岩(帯水層)があり、さらに下には不透水性の島尻層群があるため、降雨の約4割が地下水として上下2層の間の帯水層にたまり、生活および農業用水のほとんどをこの地下水に依存している。近年、化学肥料の過剰施用と畜産廃棄物の不適切な管理によって地下水の水質が悪化していることが報告されている。安全な飲料水確保のため、化学肥料の適切施用や畜産廃棄物の有効利用対策を早急に立案する必要がある。その対策として、家畜ふん尿など島固有のバイオマスを利用した減肥栽培システムの確立が考えられる。減肥栽培システムとして、畜産廃棄物のメタン発酵によるエネルギーの回収と副産物である消化液の農地利用が注目されている。本研究では、実用化に向けて、牛ふんメタン発酵の副産物である消化液および600℃で炭化された保水性に富むバガス炭などのバイオマス変換物がサトウキビの栽培に及ぼす影響を解明するため、サトウキビの春植えおよび夏植え圃場栽培試験を行い、消化液の肥料効果やバガス炭の保水効果を検証した。
- 2010-03-00
著者
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