異なる栽培法で生産したパプリカのδ15N値の特徴と施肥履歴判別への適用
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概要
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肥料(化学肥料または有機質肥料)および培地(土壌またはロックウール)を変えて基肥施肥または養液施用したパプリカは、処理によって特徴的なδ(15)N値を示した。つまり、基肥区では、化学肥料を与えたC区で+8.2‰、有機質肥料を与えたO区で+20.3‰であった。一方で、養液栽培に相当するIR区では-2.4‰と最低の値(施用肥料のδ(15)N値-2.6‰とほぼ同じ)を示した。これらのδ(15)N値により施肥法の推定が可能であった。原産国の異なるパプリカ(日本、韓国、オランダ)を市場で購入して、δ(15)N値を分析したところ、日本産+6.0‰、韓国産+0.2‰、オランダ産+3.1‰となり、日本産と外国産は異なるグループとして判断された。これは、日本の栽培が主に土耕栽培であり、韓国およびオランダの栽培が養液栽培であることに基づくものであると推定された。12の元素(P、K、Ca、Mg、Fe、Mn、Zn、Cu、Mo、Ti、Rb、Sr)を分析したところ、CuとRbの合有率が日本産で有意に高く、国産と外国産との判別に利用できると推定された。
- 農業技術研究機構野菜茶業研究所の論文
- 2010-02-00
著者
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