青枯病抵抗性トマト安濃9号の育成とその特性
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概要
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1)生食用大玉、青枯病抵抗性の'とまと中間母本農9号'と青枯病抵抗性のフィリピン在来品種'R-3034-3-10-N-UG'とを交雑し、草勢や青枯病抵抗性をもとに自殖と選抜を繰り返し、固定系統トマト安濃9号を育成した。トマト安濃9号は'とまと中間母本農9号'および'LS89'に比べ、高度の青枯病抵抗性を示す。2)トマト安濃9号は、高温期に一部心止まり性を示すものの、通常は非心止まり性で、その完熟果色は桃色である。一果重は約80gで、'桃太郎8'や'とまと中間母本農9号'に比べ小さい。果実の硬さは'桃太郎8'と同等であり、'とまと中間母本農9号'より硬い。糖度(Brix)は'とまと中間母本農9号'や'桃太郎8'より低い。3)トマト安濃9号と青枯病罹病性'とまと中間母本農5号'との交雑F1世代およびF2世代の抵抗性指数は幅広く分布し、その平均値は両親の抵抗性指数の中間値付近であったことから、トマト安濃9号の有する青枯病抵抗性は、複数の遺伝子に支配され、総体的には不完全優性に遺伝するものと推定される。また、F2世代の一果重と抵抗性指数との間に密接な相関は認められず、本育成系統は青枯病抵抗性を有する生食用桃色完熟果の中〜大玉トマトの育種素材として有用であると判断される。4)トマト安濃9号の種子は、「独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構における育成系統取扱規則」に従った分譲が可能である。
- 農業技術研究機構野菜茶業研究所の論文
- 2010-02-00
著者
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