モルモットを用いたヨーネ菌実験感染系の確立と宿主の免疫学的・病理組織学的特性
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概要
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牛を用いたヨーネ菌実験感染は本来の宿主における免疫応答や病態の解明に必須であるが、長い潜伏期間のため研究遂行には長時間を必要とする。そこで、適切な実験小動物を用いたヨーネ菌の実験感染系の確立と、その実験系を用いた本菌の感染・排菌機構、本菌に対する宿主免疫応答の解析を試みた。抗酸菌をモルモット腹腔内接種すると1日以内に菌は十二指腸に集まり、接種1日後から排菌が認められ、菌の動態を組織学的に立証することができた。また、ヨーネ菌腹腔内接種2か月後のモルモット十二指腸は肥厚しており、粘膜固有層に顕著な炎症性細胞浸潤が認められ、肉芽腫性病変の形成も確認された。さらに、ヨーネ菌接種モルモットの十二指腸における発現遺伝子についてDNAマイクロアレイを用いて網羅的に解析したところ、Regenerating islet-derived 3 gammaなどいくつかのヨーネ菌感染に対する宿主病変で特徴的に発現亢進及び低下している遺伝子がみつかった。このように、ヨーネ菌感染の特徴を示唆する病理組織学的、細菌学的、分子生物学的所見が得られ、個体レベルでの発病機構解明に繋がることが期待される。
- 農業技術研究機構動物衛生研究所の論文
- 2009-00-00
著者
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