チョウモドキの新宿主と日本における自然分布に関する論議
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概要
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島根県吉賀町の立河内・蓼野両地区を流れる高津川最上流部の立河内川と無名沢で採集したゴギSalvelinus leucomaenis imbrius 8尾のうち、1尾の頭部背面からエラオ(鰓尾)類チョウ科のチヨウモドキArgulus coregoniの成体雄1個体を採集した。これは西日本におけるチョウモドキの初記録である。これまでにゴギからチョウモドキが採集された記録はなく、ゴギは新宿主となる。ゴギは中国地方の一部の河川にのみ生息し、調査河川でゴギ個体群は陸封・分断されており、他のサケ科魚類の放流が過去にないことから、チョウモドキはそこにもともと分布していたと孝えられた。これは、チョウモドキは「多分欧州から魚の体表について移入されたものであろう」とする過去の見解を支持しない。
- 広島大学大学院生物圏科学研究科の論文
広島大学大学院生物圏科学研究科 | 論文
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