モチ性裸麦「ダイシモチ」の生産動向と実需者の意向
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概要
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戦後、米の代用品として消費された大麦・裸麦の需要は、年々減少を続け、現在1人当たりの年間消費量は0.2kg程度である。大麦・裸麦を食用として利用する場合は、穀粒の外側を削り、搗精という加工工程を必要とする。裸麦は大麦の一種であるが、脱穀すると容易に頴が外れるため、頴が外れない皮麦と比べて加工上のメリットがある。現在、裸麦は主に麦味噌や麦ご飯に利用される他、焼酎や麦茶にも利用されている。近年、焼酎ブームによって裸麦に対する需要の回復がみられたものの、再び減少傾向にある。農林水産省からの委託プロジェクト研究「低コストで質の良い加工・業務用農産物の安定供給技術の開発」のなかで、「ダイシモチ」を利用した商品開発の方向性を明らかにするとともに、現時点における生産実態を明らかにし、産地形成の可能性を明らかにするための課題「裸麦の実需者ニーズと商品開発方向の解明」を実施した。本稿は、この調査・研究結果をとりまとめたものである。農研機構と「ダイシモチ」の「登録品種に係る許諾契約」を締結しているのは、有限会社ジェイ・ウイングファーム(以下「JWF」と略記)と財団法人善通寺農地管理公社の2カ所に過ぎない。このうち、種子の譲渡を行っているのは前者のみであるが、2007年および2008年に譲渡された種子の量は、それぞれ約1.4t、1.6tであり、その普及面積は限られている。そこで本稿では、代表的な生産者であるJWFの取り組みを紹介し、その実需者の実態、評価から今後の需要の動向を探る。
- 2009-02-00
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