天然記念物の梅護寺珠数掛桜(Prunus lannesiana Wils. cv. Juzukake-zakura)の茎頂培養法による増殖と若木の獲得
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概要
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天然記念物、梅護寺(新潟県京ヶ瀬村、(現)阿賀野市)の珠数掛桜を保存するために、組織培養法による若木の獲得を試みた。Murashige(1974)が提唱した方法に従って行った。1.無菌個体の確立のために1mg/L BAを添加したWPM培地(Lloyd and McCown、1980)で異なる時期に摘出した茎頂を培養したところ、9月に採取した葉芽がシュートが最もよく形成した。2.シュートを形成した培養物は0.5mg/L BAと3mg/L GA3を添加したWPM培地に移植すると新たに複数のシュート(分枝)を形成し、シュートの生長もよかった。3.試験管内で形成されたシュートが独立栄養個体(苗)となるために必要な発根と順化法を検討した:(1)3cm以上に伸長したシュートは発根を誘導するために5mg/L IBAを添加したWPM培地で7日から21日間培養して発根前処理を行った;(2)処理したシュートは、(1)ホルモンフリーのWPM培地に移植する("試験管内発根法")か、(2)培土の入ったイチゴパック内で挿し木を行った("挿し木直接発根法")。その結果、"試験管内発根法"で得られた苗はポットに移植後の生育が不良で枯死し、"挿し木直接発根法"で得られた苗は活着がよく、培養開始から4年後には開花した。"挿し木直接発根法"の実施時期は鉢上げした苗木の管理方法を考えると6月が最適であった。
- 新潟大学農学部の論文
- 2007-08-00
著者
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