東京大学北海道・秩父・千葉・愛知演習林における地形特性の50mメッシュ数値標高モデルを用いた定量的比較
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概要
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東京大学大学院農学生命科学研究科附属北海道演習林、秩父演習林、千葉演習林、愛知演習林の4演習林は異なる気候帯に位置し、それぞれ特徴的な地質を持ち、植生にも各演習林の特色が見られるため、それらの独自色を生かした研究がなされている。地形の特徴も演習林毎に異なることが認識されてはいたが、定性的な域を出てはいなかった。今回、50mメッシュ数値標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)を用いて演算した、1kmグリッド間隔傾斜、50mグリッド間隔ラプラシアンの地形量パラメータを組合せた地形評価により演習林の地形特性の違いを表した。1kmグリッド間隔傾斜は山地としての大きな傾きを50mグリッド間隔ラプラシアンは地表面の凹凸を数量的に表す指標として用い、第三次地域区画に対応する1kmメッシュ毎の数値評価をした。各演習林内のメッシュが主に分布する数値領域は、北海道演習林は1km間隔傾斜15度以下、50m間隔ラプラシアン0.4以下の領域、秩父演習林は1km間隔傾斜15度以上、50m間隔ラプラシアン0.4以上の領域、千葉演習林は1km間隔傾斜10度以下、50m間隔ラプラシアン0.5以上の領域、愛知演習林は1km間隔傾斜15度以下、50m間隔ラプラシアン0.4以上の領域である。これより、北海道演習林は緩傾斜で表面の凹凸が少ない、秩父演習林は急傾斜大起伏、千葉演習林は1km規模では平らだが斜面長が短い急な斜面で構成されている、愛知演習林は同じく大きな山地としての傾きは小さいが細かな急斜面で構成されているというそれぞれの地形の特徴が定量的に示された。
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