就業力育成支援事業の現状と課題 ~キャリア・コンシェルジュ支援体制構築への取組み~
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概要
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平成22年2月25日に大学設置基準等が改正され、教育課程内外を通じた「社会的・職業的自立に向けた指導等(キャリアガイダンス)」の制度化が行なわれ、平成23年4月1日から施行された。これを受けて、平成22年度に文部科学省「大学生の就業力支援事業」がスタートした。これは、近年の長引く不況と雇用環境の悪化を背景に、大学が産業界等との連携による実学的専門教育を含む、学生の卒業後の社会的・職業的自立に向けた取組に対する国の支援事業であり、全国で180校が採択された。一般に、GP(GoodPractice)と称される、大学教育改革の優れた取組を支援する事業である。時代や経済・社会が大きく変化しているにも関わらず、大学教育は旧態依然としていて、社会や学生のニーズから大きく乖離しているという批判はよく耳にするところである。中でも、大学を卒業しても就職できない、あるいは就職してもすぐに離職してしまうという現実は、大学教育の抜本的な変革を迫っていると言える。このような状況の中で、企業や社会が求める人材像も大きく変化し、大学に対しても、学士としての資質はもちろんのこと、卒業後も自らの未来を自分自身で切り拓いていくことのできる能力が身に付く教育を実践してほしいというニーズが高まった。つまり、四年間の教育課程の中で、就業力が確実に習得できるようなカリキュラムやプログラムを策定し、学内・学外の有機的な連携を深めることによって、それらを実施することが、これからの大学に課せられた新たな役割となったのである。この改革を推進するために、文部科学省は大学設置基準等を改正し、社会的・職業的自立に向けたキャリアガイダンスを制度化し、その支援のために、「大学生の就業力育成支援事業」の公募が行われ、本学の観光産業科学部の事業案も採択された。本稿では、観光産業科学部が就業力育成事業に応募するに至った経緯および事業内容を紹介し、今後に向けた課題を整理している。
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