屋内発生の急性薬物中毒に伴う重度低体温症によって心肺停止に至った一例
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概要
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症例は59歳女性.2010年3月某日夕,アセトアミノフェン,ブロマゼパム,ベニジピン塩酸塩,アルコールを服用後に発見され,当院に救急搬送された.来院時は直腸温23.0℃,血圧88/49mmHg,脈拍10-20/分,Japan coma scale:300であった.高度徐脈から一時心肺停止となるも蘇生し,人工呼吸器管理の上,入院となった.復温と共に循環動態の安定,意識レベルの改善を認めた.急性腎不全を併発し,第3病日より持続的血液濾過透析を実施し,腎機能も徐々に改善した.全身状態良好となり,大きな後遺症なく第14病日に退院とした.今回我々は比較的稀な,屋内発生の急性薬物中毒に伴う重度低体温症の一例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.