当院健診受診者の脂質検査及びLDL/HDLコレステロール比(L/H比)の検討
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概要
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LDL/HDLコレステロール比(L/H比)は,LDL-CとHDL-Cを組み合わせた動脈硬化性疾患の指標として注目されている.今回,当院の健診で脂質検査3項目(LDL-C,HDL-C,TG)を測定した40,002例を対象にLDL-C,HDL-C,L/H比の性差,年齢別推移の検討に加え,脂質検査3項目から3群に分類し,L/H比の有用性を検討した.L/H比のmean±SDは,男性2.2±0.8,女性1.7±0.6であり,男性で有意に高値を示した(p<0.0001).男性の年齢別推移は,30代以降の各年代において,10代,20代に比べ有意に高値を示した(p<0.05).女性は,40代以降の各年代において,10代,20代,30代に比べ有意に高値を示した(p<0.05).脂質検査異常群のL/H比の平均は,男女とも各年代において2.0以上であった.一方脂質検査正常群においては2.0未満であったことから,従来の報告通り動脈硬化性疾患の一次予防に対する管理目標値として,L/H比2.0未満の妥当性は高いと考えられた.
著者
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大畑 雅彦
静岡赤十字病院検査部
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大畑 雅彦
静岡赤十字病院 検査部
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大畑 雅彦
静岡赤十字病院 血液内科
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山口 孝一
静岡赤十字病院 検査部
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原 毅
静岡赤十字病院検査部
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赤坂 寿美子
静岡赤十字病院検査部
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川口 貴子
静岡赤十字病院検査部
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