ニュージーランド・チャタム諸島における部族の境界生成 : 原住民土地法廷の裁判記録を手がかりに
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
原住民土地法廷が開廷した1870 年を前後して、ニュージーランド・チャタム諸島では、部族による慣習的な共同所有が原則だったところに、土地の個人所有という先住民マオリにとって未聞の概念が導入されたことで、正統なる土地の所有者が誰なのかをめぐって、部族間で激しい対立が生じていた。本論は、19 世紀の原住民土地法廷の裁判記録を用いた歴史人類学的な研究である。前半部では、土地の所有者を裁判で確定していく作業を通じて、法的な主体として部族が立ち現れ、その過程でモリオリとンガティ・ムトゥンガの両部族が、慣習についていかなる主張を繰り広げたかを検討する。後半部では、裁判記録の中の個人名をたどることで、相互に深い血縁関係にある部族の成員が、所属と同盟を渡り歩きながら原住民土地法廷をきっかけとして、部族への単一なる帰属を選択していった過程について明らかにする。
- 2012-05-01
論文 | ランダム
- Cu_2O/ZnO系PVの作製に向けたECR酸素プラズマによる銅基板の酸化実験
- DLC膜の発光分光分析と機械的特性評価
- 気液二相流マイクロプラズマによるメタンからメタノールの直接合成
- 低圧高周波プラズマCVD法におけるプラズマ表面処理技術からのプラズマ基礎特性の解明
- 窒素ガス中でのパルスレーザーによるAlN薄膜の低温堆積