ソーシャル・イノベーターとしての“お寺" : 仏教寺院の公共空間的機能変容の事例研究を通して
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概要
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研究ノート(Note)本論は、歴史的には公共空間としての位置づけと機能を持ちながらも、次第にその特徴を失い、ついには「葬式仏教」とさえ揶揄されるようになった現代日本の仏教寺院の中で、公共空間性を復活させ、さらには時代の先端を切り開くような瞠目すべき実践を展開している寺院について論じたものである。その際の視点は、第1に、公共性とその具体的生成の場である公共空間がもはや政府等の公権力の独占物ではなく、民間、とくに市民社会もその担い手となりうるし、なるべきであるという「新しい公共」論であり、第2に、その市民社会は決して西欧型市民社会論の適用によって直ちに形成されるものではなく、寺社のようなわが国固有の公共空間や公共性の思想 といった歴史的資産をも活用すべきではないかということである。そして、このような視点からソーシャル・イノベーター的仏教寺院を論じることで、現代社会でその歴史的公共性を埋没させてきた伝統がありかつ偏在する社会施設としての仏教寺院がその公共性や公共空間性を新たなかたちで復権させる可能性があることを明らかにすることが本論の目的である。
- 2011-09-10
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