金沢箔の変遷: 断切技術出現過程を中心とした予備的考察
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概要
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石川県金沢市を中心とする箔の産地が生産する金沢箔は、400年以上の歴史をもつ。箔生産において全国シェアの実に98%以上を占めており、石川県の代表的な伝統工芸産業でもある 。金沢箔については、その伝統的な製造方法、あるいは昭和初期以前の大正、明治、江戸時代の箔産業、産地に関する歴史的なことがらについて記述した文献などは見受けられる 。しかし、金沢箔が産業として大きく成長し、そして衰退していく昭和30年代中以降の近代の産地、業界構造、技術的な進化に関して体系的に論じた研究はなされていない 。本稿は、昭和30年代中以降から現在までの金箔を中心とした箔業界、産地の変遷、特にその中でも大きな役割を演じた断切技術について主に論じる。そして、今後のさらなる調査分析に向けての予備的な知見を得ることとする。
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