難治性肝性胸水に対する胸腔-腹腔シャントの1例
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概要
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雑誌掲載版77歳女.約2年前にC型肝硬変と診断された.腹水の軽度貯留を認めたが利尿剤でコントロールされ,外来通院していた.今回は呼吸困難を主訴に来院し,著明な右側胸水貯留を認めた.胸腔ドレナージで1.0〜1.5l/dayの排液が続いた為,胸腔-腹腔シャント術を施行した.術後胸水のコントロールは良好で蛋白漏出を防止し,患者自身も胸腔ドレーンから離脱することができた.胸腔-腹腔シャント術は,局所麻酔下で施行できる比較的安全で容易な手技である.無菌性の難治性胸水を有し,腹水のコントロール可能な症例に対しては試みるべき方法の一つと考えられた