〈心理療法の領域〉当世うつ病臨床事情
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概要
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[要約] うつ病の疾病としての輪郭が不鮮明となり、抗うつ薬の効能が強調され、体験をどう受けとめるかという病理を見据えたうつ病診断や治療姿勢が軽視されがちなうつ病臨床をめぐる現状について、1)社会文化的側面: 時代論、ライフステージからみた病前性格の衰退・変容、2)疾病学的側面: 双極スペクトラムの意義、3)治療学的側面: 新規抗うつ薬(SSRI・SNRI)の席巻とその功罪、の視点からその問題点の抽出を試みた。 社会文化的状況の変化は、うつ病発症の若年齢化とともに古典的病前性格の衰退と失効をもたらし、躁的因子の奔出を容易にし、双極スペクトラム概念の発展をもたらした。一方、現代のうつ病の病理を理解し適切に対応するためには、病態水準やパーソナリティの統合水準、さらには現代におけるパーソナリティの変容という視点を併せ持つことが求められている。また、うつ症状に対して広汎に抗うつ薬が投与されている現状を認識し、抗うつ薬による精神症状惹起の可能性を念頭に置く必要がある。
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