胃癌予防におけるHelicobacter pylori除菌治療の医療経済効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
雑誌掲載版胃癌患者に対する治療費とHelicobacter pylori(H.pylori)除菌に関する診断・治療費を比較し、除菌治療で得られる胃癌抑制効果を検討した。胃癌患者のべ326名を対象とした。一人当たりの胃癌治療費は1391626円で、H.pylori除菌は発癌抑制効果や治療費抑制効果をもたらした。また、H.pylori感染率が低下するほど除菌による経済効果が乏しくなり、感染率30%以上の集団では除菌による医療経済効果が示唆された。H.pylori感染率、胃癌発癌率、及び除菌による発癌抑制効果が高い日本では、胃癌予防のための除菌療法は医療経済に有益であると考えられた。更に、手術症例別の治療費は胃全摘術、胃切除術、内視鏡切除術の順に減少し、早期発見治療も医療経済的に有益であると思われた。
著者
関連論文
- 9.潰瘍性大腸炎(UC)におけるLCAP療法時に回路内血液凝固を認めた2症例(一般論文,日本アフェレシス学会第28回北海道地方会抄録)
- 胃穹窿部の粘膜筋板由来と考えられる gastrointestinal stromal tumor による ball valve syndrome の1例
- 3. 潰瘍性大腸炎における遠心分離式白血球除去療法の位置づけ(日本アフェレシス学会第24回北海道地方会抄録)(アフェレシスにおけるセイフティーマネジメント)
- 【消化器病とInnate Immunity】 クローン病におけるPaneth細胞由来抗菌ペプチドの産生異常
- 胃壁内にびまん性に浸潤した転移性胃癌の1例
- ALIMENTARY TRACT ヒト胃におけるField Cancerizationの機構--遺伝子変異を起こした胃幹細胞の進展様式
- 【消化器炎症発癌の分子機構を探る】 遺伝子変異からみた胃癌の発生母地を探る
- Alimentary Tract Dll1とDll4を介するNotchシグナルは腸幹細胞の恒常性維持に必須である
- 胃癌予防におけるHelicobacter pylori除菌治療の医療経済効果
- 【炎症性腸疾患の新規治療を探る】 抗菌ペプチドによる消化管バリア療法の可能性は?
- 炎症性腸疾患に対する新規薬剤の開発状況 (炎症性腸疾患 : 病因解明と診断・治療の最新知見) -- (炎症性腸疾患の内科的治療)
- 消化器悪性疾患における内科治療の進歩 大腸がん診療における薬物療法の位置づけとその評価
- H.pylori除菌による早期胃癌内視鏡治療後の異時性発癌の抑制効果 (特集 H.pyloriと胃癌の基礎と臨床)
- 【消化器癌治療における新しい分子標的】 小胞体ストレス誘導性オートファジーの制御による治療の可能性を探る
- 経過観察中に増大した肝細胞癌境界病変の一例