地域社会における史跡の認識過程と保護のあり方 : 文化財の保存・活用の新しい動きを視野に入れて
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概要
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東京近郊に位置し中世城郭として知られている滝山城跡を事例に、現在、国史跡となっている城跡の歴史事象と遺構がどのように地域社会の中で認識されてきていたのか。その認識過程から当該史跡の「歴史的公共空間」としての成立状況を明らかにし、また文化財指定後に行われてきた行政の取り組みや、その城跡に関わって設立された文化財支援団体の現状などについて分析し論じた。その考察を通して、史跡のような「歴史的公共空間」の保護にあたっては、行政も市民によって設立され地域社会の中で活動している文化財支援団体の声に真摯に耳を傾け、ともに「公共」を担い創り出すという対等な関係性の中で、パートナーシップを構築し文化財の保存と活用にあたっていくことが求められている現状を指摘した。
- 2011-03-01