先天性無痛無汗症:特集 小児の痛み -- 疾患・病態における鎮痛コントロール
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概要
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先天性無痛無汗症は温覚・痛覚と発汗機能を欠如し,精神遅滞を伴う常染色体劣性遺伝性疾患である。神経成長因子(NGF)のチロシンキナーゼ型受容体遺伝子TRKAの機能喪失性変異のため,NGFに依存するニューロンの分化と生存を維持する機構が障害される。結果として,侵害受容ニューロン,交感神経節後ニューロン,中枢神経ニューロンの一部が欠損する。侵害受容ニューロンは痛みを伝えるだけでなく,種々の生体反応をモニターしてその情報を脳に伝えるポリモーダル受容体でもある。脳は,これらの情報をもとに,交感神経系を介して生体の恒常性を維持する。患者では生体への警告信号が欠如するだけでなく,恒常性を維持する機構も障害されている。
- 2008-10-01
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