広汎性発達障害児におけるファンタジー -その特性と対応の在り方について-
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概要
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広汎性発達障害児の対人社会性を阻害する要因として、広汎性発達障害児のファンタジーへの没入現象が指摘されている。本研究では、学校現場に出向き対象児に対する関与観察を行いファンタジーの特性とそれらの特性に応じた支援の方法について検討した。まず、得られたエピソードから、ファンタジーに没入する前の対象児の情動状態がファンタジーの内容の変化と密接に関連していることが示唆された。次に、対象児のファンタジーとこだわり行動の関連性について検討した。その結果、両者は同様の指示対象を示しており、さらにこだわり行動からファンタジーへと変貌する背景要因として、個体要因としての認知発達と環境要因としての他者の関わり方の2要因が作用していることが明らかになった。そして支援のあり方として、不安・不快を払拭する防衛機制的なファンタジーは離脱時に対する支援よりも没入場面での支援が効果的であると考えられる。他方、こだわりに関連する事象を娯楽的に楽しむファンタジーの場合は、離脱時点での支援が効果的であることが予想された。
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