親子調査データの信頼性
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概要
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これまで数多くの親子調査が行われてきたが、親子ペア・データの質に関しては検討されてこなかった。本研究の第一の目的は、親子のデータを照らし合わせた結果、同一項目がどの程度一致するかを分析することで、親子データの信頼性を確認することである。また信頼性の高いペアのデータを取り出して分析した結果と、そうでないデータを含めて分析した結果に違いが発生するのかについて検討することが第二の目的である。本研究のデータは、茨城県の小中学校を対象として実施された調査結果で、親子のデータを一致させることができたのは896ペアであった。親子ペア・データを用いて属性や生活状況など本来一致すべき同一の質問について一致度を調べたところ、回答が一致しないペアが1~2割存在した。一致すべき項目中、全ての項目で一致する完全一致ペアは全体の6割弱であった。データの信頼性が高い完全一致ペアと、やや信頼性に疑問が残る不一致ペアの回答を比較した結果、回答傾向に統計的有意差が見られた項目は1割程度存在した。しかし、完全に一致する信頼性の高いペアのみのデータと、信頼性に疑問が持たれる回答不一致ペアのデータを含めた全データでの分析を比較してみると、その回答傾向に違いがみられなかった。これらのことから親と子の回答が一致しなくとも、全く信頼性がないデータとは言えないことが示唆された。すなわち親子の回答が一致する信頼できるデータと、疑問の持たれるデータを一緒にして分析してもさほど問題はないことが本データからは明らかになった。
- 2011-03-15
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