介護福祉士資格の有無及び経験年数による認知症ケア比較
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概要
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はじめに わが国では認知症のある高齢者(以下、「認知症高齢者」)が増加傾向にあり、高齢者介護研究会による報告書「2015年の高齢者介護」の認知症高齢者の新しいケアモデルでは、診断・治療だけではないケアを含めた包括的なサービス提供のシステム化が求められている。認知症高齢者のケアにおいては、残された肯定的側面を評価することの重要性、また、喜びや楽しみといった肯定的情動を維持することがQOLの向上につながるということが言われている。逆に、否定的情動は、認知症高齢者の不安や混乱を増大させ、BPSD(行動・心理症状)となって現れる4)。つまり、認知症高齢者のQOLは介護者のケアの質により左右されるのである。介護者の介護の質を向上させるためには、認知症ケアを正しく評価することが大切である。認知症ケアの評価としての先行研究は、田高ら5)が訪問看護ステーションにおける質評価を開発しており、サービスの構造の質(訪問看護ステーションの人的、物的、財源的各資源の有無や内容)の評価基準14項目及び同過程の質(訪問看護サービスの提供過程における行為や内容)の評価基準20項目をあげていた。また、山本らは訪問看護師の認知症ケアの自己評価指標として48項目を指標に調査をしていた。しかしながら、介護職員の認知症ケアについての評価尺度はほとんど見当たらない。そこで今回、介護職員における認知症ケア尺度を作成し、介護福祉士資格の有無によって認知症ケアに差異があるかどうかを明らかにすることを目的に研究を行った。
- 2011-03-31
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