近世ロンドンの居酒屋に関する研究--エールハウス政策を中心として
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概要
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イギリスでは、16世紀から17世紀前半にかけて、「貧困」や下層の人びとの「移動」とも深く関わりながら、居酒屋(とくにエールハウス)軒数の急増をみたが、それに伴い、そこと「悪弊や無秩序」とが結びつけられ、国家や都市当局などによる居酒屋政策が積極的に展開されていくことになる。こうした居酒屋政策については、すでに別稿にて国家や地方都市(レスター市)に関して論じたことがあるが、本稿では、当時急成長を遂げつつあった首都ロンドンをとりあげ、そこでの居酒屋政策の展開とその特徴について考えてみることにしたい。この時期、ロンドンは、夥しい数の人口移入により、16世紀初頭には約4万人だったのに、1550年には12万人、1600年には20万人、1650年には37万5000人と急激な人口増加を経験し、その市域も市壁に囲まれたシティだけでなく、その周辺のリバティ、さらにはその周辺部の郊外地域にまで広がっていく。
- 明治大学人文科学研究所の論文
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