EU排出枠取引制度(EU ETS)のグローバル化に向けての課題
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概要
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本稿では、世界炭素市場の約70%(2007年)を占めているEU ETSの現状、その成果を踏まえ、EU排出枠取引市場がグローバルな市場へと拡大していくための課題について考察する。EU ETSの経験から、制度設計の不備による問題(過剰配分やそれに伴う排出枠価格の変動)や、各国が自国産業の国際競争力に配慮して採用している様々な措置(特例な配分方法や京都メカニズムの利用上限の有無、新規参入や退出の扱いなど)によって、費用効率性や公平性が損なわれる恐れがあることがわかった。それゆえ、EU ETSのグローバル化に向けて、現在実施・検討しているEU域外諸国の国内排出枠取引制度とのリンクの際には、キャップ・アンド・トレード義務型排出枠取引制度とし、配分方法としては基本的にオークションによる割当を行うなど、市場の効率性および公平性を損なわないような制度調整を行う必要がある。
- 龍谷大学経済学会の論文
- 2009-03-15
龍谷大学経済学会 | 論文
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