マウス胚における左右,前後軸形成の分子機序
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概要
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私たちの体は外観は左右対称だが,臓器は顕著な左右非対称性を示す.例えば,胃や脾臓は左側に位置し,心臓や血管走行も左右非対称である.胚発生における左右の位置情報の乱れは,複雑心奇形につながることからも左右軸形成の重要性が理解される.このような左右非対称性の形成を制御する分子機序が明らかになってきたのは,1995年以降,左右非対称に発現する遺伝子が鶏,マウス,ツメガエルで報告されたことによる.私たちは,マウス胚で左右非対称に発現する遺伝子leftyを見出し,この遺伝子を糸口に左右軸形成の仕組みを明らかにして行った.本稿で詳述するように,左右軸形成ではNodal-Leftyの相互関係が大きな役割を果たすが,左右のみならず前後(頭尾)軸形成でもこの関係が軸の確立に必須であることが明らかになってきた(四つ足動物の頭尾は前後であるため,これを前後軸と記載する).この総説では,マウス胚における左右軸及び前後軸形成の機序を私たちの解析を中心に概説したい.
- 福岡医学会,Fukuoka Medical Associationの論文
- 2005-11-25
福岡医学会,Fukuoka Medical Association | 論文
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