遣伝力ウンセリングの現状と今後の展望
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概要
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わが国の医学・医療の中で,遺伝カウンセリングの必要性が,今日ほど強調されたことがかつてあったであろうか.その背景には21世紀に向けてわが国が立ち上げたミレニアム・プロジェクトがある.それは平成11年12月,新しいミレニアム(千年紀)の始まりを目前に控え,人類の直面する課題に応え,新しい産業を生み出す大胆な技術革新に取り組むこととして始まった.そして今後のわが国経済社会にとって重要性や緊要性の高い情報化,高齢化,環境対応の三分野について技術革新を中心とした産学官共同プロジェクトを構築し,明るい未来を切り開く核を作り上げる,という.このプロジェクトを推進するために3省合同で示した「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」1)が2001年に発表された.この指針には,遺伝・遺伝子情報を取り扱う際のインフォームドコンセントのあり方などが示されており,研究の現場では改めて検体資料の扱いや同意のあり方が問われた.そしてこの指針で重要な事は,遺伝や遺伝子情報を取り扱う際には遺伝カウンセリングが必須であると明記された事である.このような時代の要請を受けてわが国でも遺伝医療システムの構築と運用に関する具体的な取り組みがようやく始まった.九州大学医学部においても平成16年4月に附属病院に臨床遺伝医療部が開設された.そしてこれを機会に遺伝カウンセリングが話題として取り上げられ,同年9月に九大小児科クリニカルカンファレンスにおいて首題のような講演を依頼されたのである.この総説はこのときの原稿に多少加筆してまとめたものである.
- 福岡医学会,Fukuoka Medical Associationの論文
- 2005-02-25
福岡医学会,Fukuoka Medical Association | 論文
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