血液組織関門の形成と制御の分子機構
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概要
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血液組織関門(Blood-tissuebarrier)は,血液中の物質や細胞が内皮細胞層を自由に通過することを防ぎ,組織の恒常性を維持している.したがって,その破綻は,浮腫や癌の血管外脱出等さまざまな病態の原因や修飾因子となると考えられている.一方で,血液脳関門(Blood-brainbarrier;BBB)は,脳疾患に対する治療薬の障壁となり,BBBをいかに制御するかが脳へのドラッグデリバリーの鍵と考えられる.これら血液組織関門の本体が,血管内皮細胞間をシールするタイト結合であり,近年多くの構成分子が同定されている.しかし,血液組織関門の形成や制御の分子メカニズムはよく分かっていない.我々は,ブタ大脳皮質からBBB内皮細胞を分離培養する方法を確立するとともに,バリア機能が極めて低いラット肺血管内皮(RLE)細胞株において,遺伝子発現の時間的・量的調節が可能なコンディショナルシステムを確立している.本稿では,タイト結合について概説し,我々の培養系を用いて得られた,血液組織関門の形成と制御の分子機構に関する知見を中心に紹介する.
- 2004-06-25
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